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うた

Author:うた
明日また、笑って1日過ごせるように
だから今日っていう日を大切にしていきたい。

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飼い主とともに、今もすくすくと体重は成長中(笑

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流 星 群

日々の笑顔、時々涙あり?凡々な日々を綴るブログです

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2006.07.28 Fri 18:35
監督も主将も帰ったのに

ぽつんと一人 君は控え室の椅子に座ってて

窓からの夕焼けの光が逆光になって、よく表情が見えなかった


「帰らないの?」


吹奏楽部の子達が外で何か話してる

廊下からは応援に来ていた男子達の笑い声がこっちまで響いてきて

……ああ

もう、終わっちゃったんだ

ぼんやりとそんなことを考えた

胸の中が何だか空っぽで

涙はもう、出なかった

試合が終わった直後にいっぱいいっぱい泣いたから

――――それに

君は選手の皆がここで悔し涙を流してる間も

肩を震わせて

握りこぶしに力をたくさん込めて

我慢…してたから


「ここ、あと五分くらいで閉まっちゃうって先生言ってたよ」

「……すぐに行くって、言っといて」


そう言ったあなたの声が

少し枯れてて鼻声だったのは

気のせいに、しておくね


「……うん。分かった」


ロッカーから校章と名前の入ったスポーツバックを取り出す君の後姿

……ずっとずっと見続けてきた、背番号

君の代わりに泣いてる気がして

胸がぎゅって、締めつけられた


「先、行ってる」

「…なあ」


ドアを閉めようとしたら、急に君が話しかけてきて

不自然なくらい 変な風に振り返った


――――目が、腫れてた

……見なきゃ、よかった

気のせいにしようとしてたのに

気付いちゃったじゃない


「悪いなホント、いっつも」

「全然。気にしないでよそんなの。照れるじゃん」

「そう?」


おかしい

おかしいよ

いつもとおんなじユニフォームを着て

いつもとおんなじスポーツバックを肩に掛けて

何にも変わらない

何にも変わらないのに





「……ありがと、な」





そう言って八重歯を覗かせながら笑ってみせた君を見て

何だか少しだけ 置いてきぼりにされた気がした


ずるい

……ずるいよ

そうやって君はいっつも 私に背中ばかり見せるんだ

私ばっかり 君を追っかけてるんだ


「正門集合だよな?」

「…うん」

「分かった」


そう言って靴の紐を締めなおす君を見てると

空っぽだった胸の奥が、また詰まり出して

静かにそっと、でも逃げるようにして控え室を出ていった




試合終了のベル

湧き出す相手校の歓声

ベンチの静けさ

太陽の眩しさ

ゆらゆら揺れる 芝生の上

顔に玉のような汗を流して

佇む君の 見つめる先

忘れないよ

忘れないで



――――今年の夏の 青の色

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